前頭葉に愛を

なかつ(@nktu_pdu)のブログ

感想:大友良英 音楽と美術のあいだ展

 「オープンスペース2014」と一緒に、大友良英の展覧会も見てきました。

 「quartets」「guitar solos 1」「音楽と美術にあいだ(に関するテキスト)」だけで構成された展覧会でしたが、得るところの多い展覧会で、行ってよかったです。「quartets」も「guitar solos 1」も、一度で全体を俯瞰することはできない作品であるというのが非常に面白いです。あと、「quartets」は、予想していたよりミニマムな感じの音楽を重ねてて、驚きました。演奏者たちのシルエットが映るというのが、なんだか穏やかで、ずっと見ていられますね。私が展示室に入った時も、じっくりと時間をかけて見ている人が多いように思いました。(個人的な趣味ですが、笙の音が好きなので、入っていて嬉しかったです)

 しかし、最後の「音楽と美術のあいだ」に関するテキスト群が、最高によかった!
 今回の展覧会にはカタログがなかったので「えっ、これまとまったものないの! ショック!」と思っていたんですが、近々ウェブに公開されるということで一安心。ファミレスでクラシック音楽好きの知り合いと話していたとき、「美術は作者と鑑賞者だけ、だけど、音楽は作者+演奏者+鑑賞者で、間に演奏者の解釈が入ってくるから、もうちょっと話が複雑なんだよね」ということを言われて、「なるほど!」と思ってから、わりと音楽と芸術(美術)について考察するのも面白いな、と思っていました。なので、今回のテキスト群は、大変興味深く拝見いたしました。音楽と美術って、ぼんやりと一般の人が考えているよりは近くないんじゃなかろうか……と私は思っています。いっそ、「私が考えたこと」と「私以外のこと」くらいの大まかな区切りで分けてしまう、なんというかメタカテゴライズみたいなものが、必要になってきたりして……。

 そういえば、八木良太(1月に「サイエンス/フィクション」展に行きましたが、物との距離が非常にやわらかくて、とてもよかったです。)のテキストが、ああ、八木良太だな……っていう感じでかわいかった。


 デュシャン好きとしては、2人くらいがデュシャンの名前を出していたのが、嬉しかったです。やっぱり、デュシャンは美術を(定義含めて)語るうえでは、欠かせない存在ですよね……。


ICC/2014/11/22/-2015/2/22
「大友良英 音楽と美術のあいだ」