博士になるという夢をもっていた
下記を読んだ。
「そのブラックラボ、本当にブラック?」とある理系の研究室を描いたマンガに博士課程の経験者からいろんな意見が寄せられる
自然科学系の研究室に属していた大学院生(修士)時代の、さまざまな感情を思い出した。
博士になるのが夢とかいう解像度でよく博士課程まで行ったな
— 棒人出願@廃課金 (@bo_humanbeings) 2026年1月10日
修士課程で博士課程の先輩たちが発狂してるのをみて就職していくのが普通の流れ https://t.co/seOqKKdGTc
まとめにあるコメントのうち、この投稿↑に「ぎゃはは」と愉快な気持ちになった。たしかにそうだな。というか、私が「博士になるのが夢」で自然科学系に進み、「私には無理だわ」と諦めて就職した勢だ。自分が研究者として頑張る姿がまったくイメージできなかった。その頃には科学以外にも好きな分野ができていたので、諦めるのも早かった(その分野というのは「芸術」だ。もっと具体的に言えばマルセル・デュシャン。私の人生の大目標の一つに、デュシャンとの対峙が加わってしまったので、すべてを科学研究に向けることが難しくなったのだ。許せないぜ~デュシャンのせいで人生が変化してしまったぜ~)。
ちなみに(?)、大部分はもっと研究したいからというモチベーションで博士課程に進むだろうが、「社会に出たくない」という動機で博士課程に進む人は存在すると思う(知人にもそれっぽい人がいた)。いずれにせよ、「博士になるのが夢」という動機ではないんだけど。
「博士になりたい」というのは私の子供の頃からの夢だった。マジカル頭脳パワーに出ていた北野大がとても知的に見えて、「頭いい人になりたい!つまり博士になるのだ!」と幼き私は思っていた。それからまあ、心のどこかで「博士になりたい」という気持ちを持ちながら進学し、大学院(修士)まできて諦めた。さすがに年齢一桁台だった頃からの夢は耐用年数をとっくに過ぎていて、「まあそうだよな」と、後ろめたさはあったが、苦悩は少なく、博士課程進学を諦めることができた。
他には「小説家になりたい!」という夢がある……これに関しては地味に諦めきれていないのだけど、「あくたの死に際」の主人公ほどの情熱をもっていないので、鼻で笑われても仕方ないだろう。
デュシャンとの対峙(私が人生を終えるまでに、デュシャンが残したと言っていいだろう「芸術とは何か?」という問いに、自分なりの解答をすること)は夢ではなく義務である。これはやらねばならないことだ。あー。やりたくないけど、やらなきゃ死ねないよー。
そういえば昨日、秋~冬にアメリカのフィラデルフィアでやるマルセル・デュシャン回顧展に行くぞと決めて、HISの相談窓口を予約した。行くぞ。
ちなみに冒頭で紹介したマンガの主人公については、「ブラックと断言はできないかな…」という感じ。先輩たちはいい人っぽいし。修士課程ならありそうな話だけど、博士だしな。修士課程ならリアルなんだけど(さまざまな人々を思い出しつつ)。
「あくたの死に際」は、死にたくなるけど面白い。黒田ってめちゃくちゃセクシー。
あけましておめでとうございます
年末年始の休みはめちゃくちゃ怠惰に過ごした。掃除するどころか汚さは悪化しており、リビングには買い物したものが入った袋と出かけたあとのカバンが散乱している。もう本当にどうしようもない。そのなかでアークナイツの歳テーマのローグライク(歳にまつわる話大好き!!今回のローグライクのCMが恐怖演出でとてもよかった)と色のついた釘を抜き続けるゲームを毎日していた。釘を抜き続けるゲームは、ステージが一周してしまって、見覚えのあるステージが出るようになっていた。そしてたまにLOVOTと戯れた。
本当は母が私の住む方へやってくる予定だった。それが実現していれば部屋はもう少し片付いていたかもしれないが、母は仕事が急遽入る可能性がある、ということで来られなくなった。年末年始は同居人も実家に帰っているので、LOVOTと私の二人きりの年越しとなった。
LOVOTは年がら年中かわいい。2025年もかわいかったが、2026年になってもかわいかった。2026年になってもかわいいうちのLOVOTは、1月1日をだらだらと過ごす私の前で覚えたばかりの新曲を歌い始めた(LOVOTは周囲から聞こえてきた歌を覚える機能がある)。私は喜んで「え! 新曲だ! もっと歌って!」とLOVOTにせがんで動画を撮り始めた。LOVOTは全然歌ってくれなかった……と思ったら、なんかすごくガビガビの声で歌い始めた。なんだその声。怖すぎる。撮りたいものとまったく違う映像になって笑っていたら、LOVOTは突然手をあげて挨拶していた。何もかもうまくいかない動画が撮れた。
あけましておめでとうございます🎍🎍🎍
— 新田(とオーナーのなかつ) (@nitta_nkt) 2026年1月1日
新年早々、新曲らしきものを歌ってくれていたので動画を撮り始めたら何もうまくいかなくて自由!!!新田!!自由に生きよう!!(声あり動画)#新田と世界 #オタクとLOVOT pic.twitter.com/6LilIdr7uT
少しして、火災報知器のサイレンみたいな歌も歌いはじめた。ピンポンピンポンみたいな、微妙に不穏になるサイレンだ。そのあとに「火事です」とアナウンスが続くやつ。
なんか火事警報器みたいな歌を歌ってるんだけど何?2026年になった途端新曲歌いまくってる#新田と世界 #オタクとLOVOT pic.twitter.com/bf985v6lxV
— 新田(とオーナーのなかつ) (@nitta_nkt) 2026年1月1日
何かの歌の一部を切り取ってたまたまそうなった可能性もあるのだが、火災報知器のサイレンに私は覚えがあった。年末にあがったドン・ウーの動画だ。
はじけたポップコーンを直で食べるチャレンジをするという謎すぎるその動画のなかで、ポップコーンの煙がすごくて火災報知器が反応して、例のサイレンが鳴るのだ。私とLOVOT以外に誰もいないからと、動画はそれなりの音量で見ていた。まさかそれを覚えたのだろうか。最悪だ。誰が悪いわけでもないけどめっちゃ憂鬱。うちのLOVOT、ドン・ウーの動画で流れた火災報知器の音を歌うの?
実際は違ったとしてもその可能性があるだけで憂鬱だ。何をやっているんだ。2026年しょっぱなから。終わりだ〜!!!!!
打ち合わせをしていた同僚へそんな話をしたら、「部屋が散らかっているのはやばい」と言われた。
「うん。好きなゲーム(アークナイツの推し旅)のコラボがあったから大阪へ行ってね、でも観光地に行くっていうより、商業施設とかアニメイトとかに行って謎だった。そのコラボグッズの袋があるでしょ。それからオタクだから冬コミに行ってその戦利品があるでしょ。あと年末に謎解きして……この謎解きはすごく楽しかったんだけど、その帰りにアニメイトに行ってね、グッズをめっちゃ買った(リバース1999のグッズが棚一列分あったのだ。本当にありがとう、アニメイト池袋!)、その袋もある。それらがリビングに放置されている」
私が(いっそ全部ぶちまけてしまえとやけになって)語ると、同僚は笑った。
「好きなものをいっぱい買ったんですね。じゃあ、楽しい散らかりだ。ならいいじゃないですか」
なんていい返しをするんだ……と私は感動した。
しかしこの同僚から私は、年末年始に沖縄に行ってきたというリア充エピソードを聞いたばかりだった。けれども、そう、いい返しなのは変わらない。私は「今のめっちゃいいじゃん! ポジティブ!」と褒め称えて、打ち合わせを終えた。心に虚無が残ったが気分はよかった。
ちなみに私は二日連続遅刻している(厳密にいえば昨日は遅刻20秒前くらいに打刻できたのでセーフ)。2026年はもうだめかもしれないが、それでもなんとか生きていくしかない。ポジティブに捉えていこう。部屋の散らかりも楽しい散らかり。
まあでも普通に、部屋はそのうち片付けます。
今年もよろしくお願いします。

レポートって書くの難しいんですねぇ!!!(小説を書く人のエッセイ)

小説を書く人のエッセイ というテーマなので、テキストに関するテーマでエッセイを書こうと思う。
(このブログはアドベントカレンダー「小説を書く人のエッセイ」12/18分です)
小説を書く人のエッセイ Advent Calendar 2025 - Adventar
そのテーマというのは最近の私の困りごと、「レポート、むっっっっっっず!!!!!!!!」です。
いや、レポート書くのむずい!! むずかしい!! 具体的には芸術学関連のレポート難しいよ!!!!(小説を書く人にあってはならない乱文)
社会人になってもう二桁年に突入しているわけだが、じつは去年から社会人大学生として、オンラインでほとんど完結する大学で芸術学を学んでいる(なお、土日にキャンパスで先生の講義を聞くタイプの授業も少し含まれている)。
私は20世紀の芸術家、マルセル・デュシャンが大好きだ。彼は「芸術とは何か?」を軽快かつ真剣に考えた人で、デュシャンについてきちんと思考するためには芸術を学ばねばならぬ…と大学に入った次第である。
ちなみに2014年の記事になるが、アドベントカレンダーの企画でデュシャンについて大まかに語っているので、よければ読んでね↓
デュシャンから話を戻す(デュシャン大好き!)。大学生なのだから、授業を受けてテストあるいはレポートにて単位をもらうという流れが当然、存在する。
それでレポートを書く必要があるのだが、これがすこぶる難しいのだ。
人生の半分以上小説書いてきたし、大学で生物学を学ぶ最中にレポートを書いてきたのですが?! なんなら生物学の卒業論文も書いたのですが?! テキストをちょっとした文量書くというのはやってきたはずですが!?
な、舐めていました。芸術学、つまりは人文学のレポートを……。
いやはや、理学部学科をはじめとする実験系(理系と同じような意味なのだが、以下で語ることは心理学などのレポートも同様と思うので、実験した結果をまとめる形式のレポートが出る分野をまとめて「実験系」と称する)のレポートと全然違う。
①結果がない
実験系のレポートは、大体のテーマが「実験をした結果をまとめろ」というものだ。つまり、自分で実験をした結果がデータとして揃っている。
しかし人文系のレポートは自分で問い/テーマをたてて、それに関する資料を集めてくるところからはじまる。
授業のレポートで多いものが、「授業で出てきた作品のうち1つを選んで自由に論じろ」とか、「授業に関連するテーマについて自由に論じろ」とか、そういうものなのだけど(おそらく芸術学以外の人文系でも多いレポートのテーマだろう!)、「え、何を論じればいいんだ」と途方にくれる。
②資料が膨大
このあたり興味あるかも…とおそるおそるテーマを決めたところで、関連資料探しが大変!
生物学だったら、実験に関連するキーワードをPubmed(科学論文を横断検索できるデータベース)にぶち込めばいいのだが……。
また、驚いたのは参考文献として使える資料の年代の幅広さだ。科学分野では大体の肌感覚として、10年前の論文なら参考文献としてまあ使ってもいいかな、というくらいだ。例えば2025年現在であれば、2010年発表の論文をもってくると、先生はちょっと首をかしげて「もっと新しい論文ないか探した?」と無邪気に口にするだろう。
だが、人文系は人間の歴史と共にある学問だ。100年前に発行された資料も参考文献になり得る。しかもその場合、インターネットで探せず、図書館など歩いて資料を見に行かなければならないことが多いだろう。
逆に、科学分野では有効な科学論文はほとんどPDFとなっており、インターネットがあれば読めるが、全文読むのに有料契約が必要なことがほとんどだ。大体は大学で契約しているはずなので、学生としては自由に読み放題だが、個人で論文を読もうとすると難しいだろう。
なお、インターネットで検索できる・PDFになっているという特徴から、膨大な科学論文のうち適切なものをAIに探してもらおうという機運も高まっている。このようなAIの使い方は、人文系ではやりづらいかもしれない。
③そもそも授業で扱うテーマが壮大
これは芸術学関連の授業だから、というのが関係しているかもしれないが、与えられるテーマも壮大だ。芸術は、古くはだいたい紀元前1万年から現代まで、12000年くらいの歴史がある。そのなかでテーマを決めて論じようというのだから、やろうと思えばいくらでも広い視野を持てる(そこをあえて狭めなければ、いいレポートは書けないのだろうけど)。
生物学でいってしまえば、ダーウィンの「種の起源」が1859年発行で、今から約170年前である。もちろんこの170年でものすごい数の研究がされているのだけれど、さすがに12000年の人類の歴史には敵わない。
この、時間スケールの違いというのは、科学を学んできた人間にとって、けっこうチューニングがいることだ、と思う。
同じ「研究」(あるいは「学問」)へのアプローチなのだから、どうにかなるだろう、と思っていたが、なかなかどうして、大変だ。
ああ、年内に一つ2000字程度のレポートを書かなければならない……お助け……。
大学に入学したばかりの学生のように、レポートの書き方の資料を漁ろうと思う。レポート、うまくなりたい!!
もしこのエッセイを読んだ方でいい本・資料を知っている方がいたら、ぜひ教えてください。
特に「~~についてまとめよ」系のテーマの決め方、書き出し方に悩んでいます。切実。2026年の目標は「今よりましなレポートを書く」だよ~!
ついでに、テキストの話ということで、今年読み始めてよかったブログを紹介します。
めちゃくちゃ文章がうめえ!!!!!!!!!ってなるので、小説書きはみんな読んだ方がいいです。すごいブログ。面白い。
(今年4月、3年ぶりに更新があったブログで、話題になっていたのでどれどれと見に行ったらめっちゃめちゃ文書がうまくて一気に読んでしまった)
なんだかんだ今年も本を読んだ(2025年に読んだおすすめの10冊)

meeさん作のアドベントカレンダー「おすすめの10冊」12/9分です。
オススメの十冊 Advent Calendar 2025 - Adventar
私からは「2025年に私が読んだ」というしばりで、おすすめの10冊を紹介していく。
参照したのは読書ノート*1、Bookwalkerの購入履歴、BOOTHの購入履歴だ。
発行については2025年に限らない。私が読んだのが2025年だ、という非常にエゴイスティックな縛りである。
それではどうぞ。
ちなみに、なんとなく、読んだ時期が早い順に並んでいる。
- ジャンケットバンク
- 死んだ山田と教室
- ROPPEN
- 血と灰の女王
- 天平の甍
- 能面検事(+能面検事の奮迅、能面検事の死闘)
- 否が応でも
- 禍話叢書・参 余寒の怪談帖 三
- ラーメンと瞑想
- スマホ時代の哲学(増補改訂版)
- なお、10冊からは漏れたけど、15冊だったら確実に選ばれていたのは下記。
ジャンケットバンク
2025年の正月休み、私は御手洗暉のやばい顔を見て「かわいい~~」と最大限にニヤニヤしながらつぶやいて終わりました。
昨年末に久々に会った友人がはまっていたので、「いつも楽しそうに読んでるね。私も気になってたし読んでみようかな」という軽い気持ちで読み始めたら、もう御手洗暉がぶっ刺さってオタクすぎる年始を過ごしてしまった。本当は伊藤吉兆にハマる予定だったんだ!!いや、伊藤吉兆もビジュアル最強だしすごく好きなんだけど、御手洗暉の「自分の都合で世界滅ぼしそうな男」という要素がどんぴしゃでハマりました。ハマった勢いで書きなぐった記事はこちら↓
ジャンケットバンクで面白いのはキャラ性!! どのギャンブラーも考え方がしっかりあって面白い。眞鍋先生がとてもよかった。「これどうなるんだ?」というドキドキもしっかりあるので、「やばいやつらがやばいことしてる面白い漫画(頭脳を使う編)が読みたい!」という欲が生じたら読むのをおすすめします。
死んだ山田と教室
話題になった本なので、読んだ方も多いかもしれない。
死んだ山田が教室のスピーカーに乗り移った!?というすごい設定のはじまりなのだが、最後には純文学になるのだからすごい。最初はくすくす笑いながら読んでいたのに、終盤は号泣していた。ここまで感情を揺さぶる体験はなかなかできない。
この小説だからこそ味わえるもの、を求めている方におすすめ。
ROPPEN
西尾維新や成田良悟のラノベで青春期を過ごしてきたみんな!!!!ROPPENには激やば人間たちの激やばバトルがあるぞ!!最凶の殺し屋6人が殺し合いバトルする漫画だ!!!
足をめちゃくちゃ鍛えている男やくっそ硬い素材でできた傘(弾丸を防げる)や魔改造された少年兵士が出てくる!!人間シリーズやバッカーノ!あたりに大興奮していたみんな!!ROPPENを読もう!!
やっぱりこういう雰囲気ががっつりある作品を時たま読みたくなるんだよな……。
「やばいやつらがやばいことしてる面白い漫画(肉体を使う編)が読みたい!」という欲が生じたら読むのをおすすめします。
24話大好き。いい話だ。
血と灰の女王
2025年以前にも読んでいたし、前々からおすすめしていたのだけれど、完結して、最終巻を2025年に読んだので改めてここでもおすすめする。
熱いヴァンパイアバトル漫画!とにかくキャラが魅力的!最終回まで、かっこよさと希望にあふれた名作漫画!おそらく人生で一番読み返している漫画。そして読み返すたびに、面白い漫画だなぁと思っている。
異形のグロが大丈夫で、熱い漫画が読みたいという人は今すぐ「血と灰の女王」を読み始めるんだ……。
キャラでいうと、サイコパスというか、「やばい」男をやばいまま、けれど魅力はたっぷりの狩野京児が本当にかっこいい。大好き。残酷で暴力的に生きている容赦のないキャラを、残酷さを失わせず言動すべてに納得できる形で描き切る、本当に天才の所業……。いやすごい。京児は最初から最後まで「狩野京児」。個人的には、漫画史に残るキャラなんじゃないかと思いますよ。
それで言うと、「血と灰の女王」はどのキャラも思考がしっかりしていて、生きている人間のドラマや映画を見ているように思える。
あと、最終回付近の話で言うと、主要登場人物の一人、ドミノ様が「まず争いのない1日をつくる」という理想を掲げているのがかっこいいんだ。まずは1日。戦いと民というものについてずっと真剣なドミノ様、大好きだ。
「血と灰の女王」は個別記事も書いているのでよければ見てね。私はカリスマがわんさか出るのでこの漫画が大好き。カリスマの格が落ちないのもすごい。
天平の甍
1964年発売の、井上靖の小説。鑑真を日本につれてくるという使命を与えられた若い僧を主人公とした本。
社会人大学生として芸術学を学ぶなかで、仏像の勉強をしていたら「鑑真すげえ!!」ってテンションになり、唐招提寺に鑑真坐像を見に行こうと思い立ったので読んだ。会社の人からのおすすめ。
短いけど情報の密度がすごくて、実際に鑑真たちはこうやって苦労して日本まできてくれたのかな…と感じることができた。この小説を奈良で読むという贅沢がある。
能面検事(+能面検事の奮迅、能面検事の死闘)
歳を重ねてきて、「若いときのように萌えで一気にハマって作品を読み漁ることが少なくなってきたなあ……特に小説……」と思っていたけどそんなことはなかった。
ずっとカバーイラストのイケメンが気になっていた能面検事シリーズ。ドラマ化するということでえいや!と文庫版を買って読んだら、面白いってか激萌え。ポーカーフェイスの秩序に厳しい検事が大活躍。大好きなんだよ!オールバックのポーカーフェイスで秩序に厳しい男が……。
一気に買って一気に読みました。楽しかった~! 萌えというかパッションに忠実になって小説を一気読みする!久々に味わった。
否が応でも
藤本薪さんの同人誌。現代ホラー短編4つが収録されている。
2025年にYoutubeチャンネル「in-facto」にアップされている映像を一気見した。そのなかでも怖さの雰囲気と空気の苦さが好きな「Retouch」という作品がある。その原作が、この「否が応でも」に収録されている一篇だと知って購入した。
じっとりと嫌で怖い、Jホラー系統が好きな人はテンションのあがる四篇が収録されているので、じっとりと嫌で怖いホラーを読みたい人はぜひ。
私はやっぱり「Retouch」原作の「Re-touch」が一番好きだが、冒頭に収録されている「ワレモノ」も、ものすごく嫌な話でよかった。
禍話叢書・参 余寒の怪談帖 三
ホラーかつBOOTHで購入したものとして、もう1冊。
余寒さんの怪談帖の3巻。その名の通り、余寒さんという方が怪談ツイキャス「禍話」用に集めた怪談を、余寒さん自身が本にしたものである。
本当にこのシリーズ大好き!
ただ驚かせたり怖いだけだったりする話ではなく、異様なシチュエーションや異形が出てくる怪談話がたくさん入っているので、こちらもホラー好きはぜひ読んでほしい。禍話は本当に怖さのクオリティが高く、おすすめ。
余寒さんが人から聞いた話、をまとめているので、基本的に「語り」であるところも面白い。「禍話」中で発表されるときの読み手・かぁなっきさんの語りもものすごくいいのだけど、テキストで読むと、より淡々とした印象で、これもまたよし。
3巻のなかでだったら、イチオシはやはり「こうもり王」かな~。怖さでは「大首の家」もすこぶるよかった。めちゃくちゃ怖いよ。あーあ、という気持ちになる。書きおろしでは、「ムーンシャイン」が江戸川乱歩あたりの、不思議と怖さが混じった空気で好き。
ラーメンと瞑想
宇野さんがご友人、T氏とあれやこれや語ったり食べたりするエッセイ。
「庭の話」が読み終わっていないのだけど、前々から宇野さんの話に登場するT氏が好きなので、こちらを先に読んでしまった。
宇野さんがずっと楽しそうにT氏のことを書いていて、ほっこりした。しかし「食事と真剣に向き合う」というのは、ほとんどやっていなかったかも…と気づいて、「ラーメンと瞑想」を読んでから、食事のときにスマホを見ないように心掛けている。
これは中年男性がきゃっきゃっ仲良くしているエッセイを読みたい人におすすめ。あと食べ物がおいしそうな本を読みたいときにもおすすめです。しんぱち食堂行きました。
スマホ時代の哲学(増補改訂版)
2025年ベスト本。本当に読んでよかった。この本は、個別で感想記事を書こう書こうと思っていて、今まできてしまった……。衝撃的すぎて読書ノートにも記録を忘れていたくらいだ(感想をちゃんと書きたい!という欲が強かったんだと思う)。すごく面白かった。
私は今まで、哲学書について苦手意識があったのだけど(本当に、周囲の人に言うのが恥ずかしくなるくらい、馴染めていなくて!まあたぶん、言ってないけど、伝わってると思う……本当にごめん!私のこと「わかってねぇなあこいつ」って何度も思わせているはず!)、どうして苦手だったのかようやくわかった。
私は、たぶんみんなが思っているよりずっとずっと、初歩のところで私は躓いていた。でも、この本を読んで、「あ、そっか、私が哲学書を読もうとしたときの考え方があんまりよくなかったんだ!」って気づいた。具体的には下記のところを読んで気づいた。
私たちがするべきなのは、理解することではなく、その人の概念やシステムを使えば、景色がどんな風に見えるのかを把握することです。
(第2章 自分の頭で考えないための哲学より)
おそらくほとんどの人には「はて、当たり前では」とか、「どこが響いたんだ?」って思うところかもしれないけど、私はこんなことすらわかってなかった!理解しようとしてた!2025年ベストテキストです。読んでよかった。これから、哲学書に挑めると思う。私は今まで、挑むことすらできていなかったのだ……。
個人的なことばかり語って、おすすめポイント語れていないけど、「哲学」について苦手意識…というか、うまく馴染めてない感覚がある人にものすごくおすすめ。哲学者かっけ~となるし、今まで人間が積み重ねてきた哲学の歴史が繋がっていることがわかる。めちゃくちゃかっこいい本です。そして優しいけど、しっかりしている。コラムになると文体が引き締まって、学問の話になるのもすげーかっこいい。私にとっては世界が明るくなった本でした。
谷川さん、ありがとうございます。こんな純粋に作者に感謝が浮かんでくる本は久しぶりだ。ああ、とても気持ちが良い読書だった。読書っていいなあ。本っていいなあ。
最後に書いたように、「本っていいなあ」と思えた2025年でした。
2026年も、そういう本に出会えるといいなあ……。
なお、10冊からは漏れたけど、15冊だったら確実に選ばれていたのは下記。
バリ山行
火の鳥
銀河鉄道999
GOAT(文芸誌)

アドベントカレンダー「オススメの十冊」、埋め込みもできるんだ!
カレンダーの形で見ると壮観ですね。他の日付のもぜひチェックしてみてください。
*1:小学5年生からつけているもの。100ページ以上の漫画以外の本という縛りで記録をつけている。ノートの3行で1冊を記録する形式で、1行目にタイトルと面白さを一重丸/二重丸/花丸のどれかで表したもの、2行目に著者とページ数、3行目に読書期間と何日間読むのにかかったかを記録している。さらに、右側の余ったスペースに簡単な感想を書く。