前頭葉に愛を

なかつ(@nktu_pdu)のブログ

感想:ミッション[宇宙×芸術]展

宇宙のロマンと芸術のロマン。

3連休の中日に行ったせいもあっただろうし、はじまったばかりの「ワンダフルワールド」展の影響もあっただろう、ベビーカーを押すお母さんや、そのあたりをぱたぱた走る子どもがとても多かった。こんなに混んでいる現代美術館ははじめてだと、ちょっと驚きつつ展覧会会場へ。

いやはや、3時間以上も見てしまった! がっつりばっちり。すごく楽しかった。はじめに語られる「宇宙芸術」という概念からしてめちゃくちゃ興奮する。科学も芸術も大好きなので、今回のような展覧会は本当に至福。幸せな時間を過ごすことができた。美術館でプラネタリウムの作る星空を眺める、という謎の経験もできた。国立天文台のWEBサイトを見ていても思ったけれど、ありきたりな感想、「人類なんてちっぽけだ」がひしひしと心に迫ってくる。簡単にあの星は○光年先の……というけれど、本当に遠いところだな。その距離をもってして届く「光」って、本当に強い。光すごい。

どの作品もかっこいい! と思ったのだけれど、特に心に残ったのは多摩美と東大の衛星芸術プロジェクト、ARTSATの作品群。衛星から送られてくるデータを芸術に、という途方もない感じのプロジェクト。すごく遠いところにある宇宙が、アートを通じて身近に思えた。しかしこの衛星、会期中に役目を終えてしまうのだそうな。その瞬間、見たいなあ。作品が沈黙するのかな。切ない。
木本圭子さんの作品は、数理モデルを使った作品ということで前々から好きだったのだが、今回じっくり見ることができて満足。動きが滑らかでうにょうにょとしていて、生命的なんだけれど、そこに生命はないのだよな。しかし、ずっと見ていると、私の生命エネルギー的なものが吸い込まれて、作品の中に新たな生命が生まれてしまいそうだった。そのうち、新しい宇宙を創るというアートプロジェクトが発足するかもしれない。それはそれで楽しい。
あと、鈴木康広さんの「りんごの天体観測」は、発想がかわいくてかわいくて友達と興奮しながら見た。スケッチがまたかわいい。友達は鈴木さんのことをすごく気に入って、作品集を熱心に眺めていた。隣から覗き込んだら、この前の六本木アートナイトでまばたきの木を展示していた人だったのね。なるほど。

一緒に「ワンダフルワールド」展も見たけれど、子どもが芸術作品で楽しそうに遊ぶ様子は、デュシャン信者としてはぐっとくるものがあった。ベビーカー置き場やおむつスペースも用意してあって、面白かった。かわいかったなあ、子ども。可能性が未分化な状態って素晴らしいよね。


東京都現代美術館/2014/6/7-8/31
[http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/cosmology.html
:title=「ミッション[宇宙×芸術] コスモロジーを超えて」展]